令和5年度 福岡新水巻 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

【定義】

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 73 94 97 213 357 660 1414 1665 893
当院は小児から、成人・高齢の方まで、幅広い医療の提供を行っていきます。
また、高齢化社会に連動して60代以降の退院患者数が84.71%になります。
今後も万全の感染対策を行いながら 24時間365日、患者様のため地域に根差した医療を行っていきます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

 各診療科別に患者数の多い症例(DPC14桁分類)について、DPCコード・名称・患者数・当院の平均在院日数・全国の平均在院日数・転院率・平均年齢を集計し、 併せて、当院で実際に使用しているクリティカルパスを載せています。 なお、患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように非表示としています。 【定義】

内科(循環器内科)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 267 22.72 20.60 25.47 85.49
050130xx9900x0 心不全 136 21.15 17.38 13.24 87.85
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 104 16.61 13.52 13.21 84.38
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 53 19.19 15.44 13.21 84.38
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 50 2.56 3.05 12.00 67.64
当院は、救急の受入れを24時間365日対応しており、最も多い呼吸器系の疾患が全体の33.42%を占めています。
内科は高齢の患者様が多く重症化しやすい疾患ですが、ADL低下を防ぐために早期よりリハビリを開始し、早い段階での退院を目標に治療を行っております。
また早期リハビリ介入により平均在院日数の短縮へとつながっています。
次いで、心不全や狭心症などの循環器疾患の入院があり、慢性的な心不全の増悪による入院や心臓のカテーテル検査での入院が多く挙げられます。
さまざまな感染症疾患に対応すべく、他の診療科との連携と取りながら対応をしています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 107 2.07 2.61 0.00 66.91
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 53 10.91 8.75 11.32 81.09
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 37 7.54 7.58 2.70 67.84
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) 28 11.07 10.92 10.71 73.64
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 28 6.79 5.64 3.57 54.36
消化器内科ではポリープが最も多く、加療の為の入院が22.61%を占めており、疾患に対して行う内視鏡手術は、消化器科の中で一番多い手術です。
次に、胆管の疾患、憩室性疾患、潰瘍と続きます。潰瘍による出血に対しては内視鏡的止血術や血管塞栓術を行っています。(緊急の場合にも対応しています。)
また高齢での発症の場合は比較的入院期間が長く、必要に応じて転院するケースもあります。
早期発見・早期治療を目指し、外科との連携により、患者様の状態に応じたスムーズな医療の提供を行っております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞(手術なし) 42 7.55 8.95 2.38 74.12
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 38 5.29 4.55 0.00 71.26
060210xx9700xx ヘルニアの記載のない腸閉塞(手術あり) 31 14.23 13.96 6.45 77.10
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 29 7.55 5.98 3.45 63.69
060335xx02000x 胆嚢炎等 27 11.15 6.87 0.00 67.11
外科は腸閉塞の入院が最も多く、また悪性腫瘍に対する化学療法のために入院される患者様が、外科の全症例数の17.55%を占めています。
当院で手術された方でも併存疾患については、地域の病院(診療所)へお願いし、医療の連携に努めています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070370xx97xxxx 脊椎骨粗鬆症(手術あり) 366 19.42 22.46 59.84 84.36
070370xx99xxxx 脊椎骨粗鬆症(手術なし) 107 12.26 21.46 71.03 82.30
160760xx97xx0x 前腕の骨折 33 5.39 4.76 0.00 60.42
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 23 13.17 18.32 26.09 49.78
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 22 16.00 15.58 63.64 61.55
整形外科では、基礎疾患に骨粗鬆症がある高齢患者様の入院が整形外科の全症例数の48.22%を占めています。
次に外傷性の疾患が多く、前腕・鎖骨・肩甲骨の骨折治療や大腿骨骨折に対する観血的手術を行い、緊急手術にも迅速に対応しています。
脊椎骨粗鬆症(手術あり)の内訳として大腿の骨折が284件、前腕の骨折が50件、上腕の骨折が21件、その他11件です。
リハビリテーション科と連携し、早期自立を目標にしています。早期リハビリテーションの開始・術後の早期離床により、自宅復帰を可能にし、
また引き続きリハビリが必要な患者様には、近隣の病院をご紹介の上、継続してリハビリを行っていただいております。
その他、患者様の希望に沿った治療の提供を行っています。
また令和4年度より、骨折リエゾンサービス委員会を設置し、骨粗鬆症を有する患者様の骨折の治療、骨粗鬆症治療を更に効果的に行っております。
患者様の同意のもと、治療効果などを学会へ提出させていただいております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 136 14.53 15.70 31.62 71.27
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 87 13.24 9.88 20.69 80.93
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 65 23.75 19.09 70.77 71.15
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 57 11.18 8.38 24.56 78.47
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 37 14.19 15.57 18.92 73.81
当院は救急の受入れを24時間365日対応していることもあり、脳梗塞を始めとする脳卒中の救急患者の受入れが多数あります。
脳神経外科では、脳梗塞や頭蓋内血腫、外傷性硬膜下血腫を多く治療しており、脳梗塞に関しては脳神経外科の全症例のうち45.30%を占めています。
早期離床を目標にリハビリ介入し、ADLの低下を防ぐことにより、早期退院及びリハビリ施設(介護施設を含む)への転院を可能としています。
また、一次脳卒中(PSC)コア施設に認定されており、脳卒中に対しての対応を充実させています。
泌尿器科(人工透析)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 41 4.85 5.22 0.00 69.29
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 33 7.52 13.52 6.06 74.94
110420xx02xxxx 水腎症等 27 4.19 4.02 0.00 75.41
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 24 7.29 6.85 0.00 75.75
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 18 6.06 7.08 11.11 71.44
泌尿器科は、前立腺癌の検査を行う患者さんが多くいらっしゃいます。
近年は、前立腺肥大症の患者数が増加傾向となっており、水腎症や感染症の方も増えています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

さまざまな癌の中で、現在日本における、最も罹患数の多い5つの癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)について、初発の患者様においてはUICC 病期分類 及び癌取扱い規約に基づき病期(ステージ)ごとに、再発の患者様においては患者数を集計をしました。
なお、患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表示としています。

【定義】

【病期(ステージ分類)】
 TNM分類をもとに、癌の進行度と広がりの程度を一度にあらわすことが出来るように作られたものです。
 (T)…癌がどのくらいの大きさ・深さ・広がりになっているか。
 (N)…周辺のリンパ節にどれほど転移しているか。
 (M)…遠隔臓器への転移はあるか。
 癌の病期は、Ⅰ期~Ⅳ期の4段階あり、Ⅰ期は「早期癌」で、Ⅳ期は「進行癌」です。
 Ⅰ期とⅡ期の場合は治療により完治する確率が高いですが、Ⅲ期とⅣ期では治療により完治することは難しくなります。

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - 13 - - 1 8
大腸癌 - 32 44 66 - - 1 7,8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
近年、当院近隣の病院やクリニックからの紹介、定期健診や集団検診等で癌が発見されることが多くなりました。
当院で診断のついた胃癌・大腸癌・乳癌・肝癌においては、病期診断(ステージ)に応じた集学的治療(手術・抗癌剤)を、肺癌において当院は専門医がいないため初期治療は連携している病院等への紹介を行っています。
またステージが進んでいる、もしくは手術後に化学療法を行う患者様は多くいらっしゃいます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

成人(20歳以上)の肺炎患者様について、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計しました。
なお、患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表示しています。

【定義】

【重症度分類基準(A-DROPスコア)】    ※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 20 11.9 51.95
中等症 175 18.62 78.30
重症 54 19.85 83.67
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人に発症する肺胞(空気がたまるところ)の急性炎症です。
原因菌の多くは肺炎球菌、インフルエンザ桿菌で、インフルエンザ流行期ではウイルス性の肺炎も頻度が高くなります。早期に適切な治療を行うため、上記の重症度分類を用いて肺炎の重症度を分類し、外来診療・入院診療・集中治療室(ICU)管理のいずれかを決定します。
成人市中肺炎の重症度分類では中等度の患者様が最多数となりました。
これは当院へ入院される患者様が、70歳代以上の方が多いため、重症度分類の「年齢」に該当することが挙げられます。また、軽症および中等度の患者数は全体の75.58%となり、重症度が高くなるにつれ、平均年齢は上がり、平均在院日数は長くなる傾向にあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

脳梗塞の発症日別に、患者数・平均在院日数・平均年齢・転院率を集計しています。

【定義】

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 404 21.14 76.74 38.95
その他 35 15.57 69.31 2.73
脳梗塞とは、脳の血管が細くなったり、脳血管に血栓(血のかたまり)が詰まったり、また何らかの原因で脳の血のめぐりが正常の5分の1から10分の1くらいに低下し、脳組織が酸素欠乏や栄養不足に陥り、その状態がある程度の時間続いた結果、その部分の脳組織が障害を受け、壊死(えし)してしまったものをいいます。
脳梗塞は、発症してから治療開始までの時間が最も重要となります。
発症してすぐに救急車等にて病院を受診し、脳に血液を送るため直ちに治療を開始しなければなりません。
早期に治療を開始しても麻痺等の後遺症が残ることも多く、長期間のリハビリが必要となるため平均在院日数も必然的に長くなります。
42%の患者様が転院され、継続してリハビリを行っていらっしゃいます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

各診療科別に手術件数の多い症例について、Kコード・名称・患者数・平均術前日数・平均術後日数・転院率・平均年齢を集計し、併せて、当院で実際に使用しているクリティカルパスを載せています。
なお、患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表示しています。

【定義】

内科(循環器内科)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 25 3.04 8.36 0.00 68.88
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 21 4.29 10.81 14.29 81.52
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 18 0.06 18.50 16.67 70.39
K597-2 ペースメーカー交換術 14 0.57 3.36 7.14 83.79
K386 気管切開術 12 28.25 19.08 75.00 75.75
 内科の手術で最も多いのは、虚血性心疾患(急性心筋梗塞や狭心症など)に対する経皮的冠動脈ステント留置術であり、当科の手術件数の32.33%にあたります。開胸手術をすることなく、主に足の付け根や腕の動脈からカテーテルを用いて行う手術です。
重篤な症例に対し緊急で血管内治療(カテーテルを用いた手術)を行い、早期復帰を目指して医療の提供を行っています。
また、房室ブロックや洞不全症候群に対するペースメーカー移植術(経静脈電極)やペースメーカー交換術も行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 103 0.02 1.11 0.00 67.28
K654 内視鏡的消化管止血術 31 0.55 8.84 12.90 75.29
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 31 1.16 12.26 12.90 80.42
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 21 0.90 6.05 0.00 72.62
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 10 0.60 12.00 20.00 77.40
 消化器内科は、小腸および大腸の良性疾患による内視鏡的ポリープ切除術が最も多く施行されており、当科の手術においては42.04%の施行数です。
 次いで、消化管出血に対する内視鏡的消化管止血術や内視鏡的胆道ステント留置術が続きます。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 65 2.05 6.78 4.62 66.12
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 22 0.45 4.45 0.00 44.23
K6335 鼠径ヘルニア手術 19 1.32 3.84 0.00 76.74
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 19 1.00 2.42 0.00 65.79
K714 腸管癒着症手術 17 1.53 11.12 11.76 76.47
 外科で最も多い手術は、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。重症度の高い壊疽性~穿孔性胆のう炎の方も積極的に手術を行っています。
 外科の全症例の約半数の患者様が手術をされていますが、そのうち腹腔鏡下を用いる手術が47.97%です。
 当院では化学療法を行われる患者様が多数いらっしゃるため、患者様の負担軽減やQOL(生活の質)の向上の為、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置の手術も行っております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 223 2.08 19.52 62.78 83.78
K0811 人工骨頭挿入術(股) 102 2.09 17.52 67.65 84.33
K0462 骨折観血的手術(前腕) 79 1.70 7.97 13.92 66.22
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 52 0.79 1.88 0.00 63.56
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 48 2.33 9.29 20.83 58.79
 整形外科で多い手術は大腿骨の骨折的観血的手術で、当科の手術症例のうち33.67%を占めています。
高齢化社会に伴い、また骨粗鬆症の患者様が増加していることにより、今後も増えて行く疾患です。寝たきりにならないよう、術後早期からリハビリを開始しますが、必要に応じて近隣のリハビリが可能な病院へ転院していただき、継続してリハビリを行っていいただいております。
 肩関節の腱板断裂による関節鏡の手術も行っており、侵襲性が少ないことから早期退院が可能となっています。
 また、四肢の変形性関節症(肩・膝・股)に対しても、積極的に人工関節等の適切な手術を行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 69 0.78 12.91 24.64 80.86
K178-4 経皮的脳血栓回収術 48 0.02 32.48 62.50 81.29
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 24 5.04 13.75 29.17 77.42
K1781 脳血管内手術(1箇所) 21 0.62 47.29 38.10 61.14
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 14 1.71 35.36 85.71 64.36
 脳神経外科では慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術が最も多く施行されています。慢性硬膜下血腫は、紹介や救急にて多く来院されており、また局所麻酔での手術のため、主に入院当日あるいは翌日に手術が行われています。
 超急性期脳梗塞に対して行う経皮的脳血栓回収術などの血管内治療は、適応を迅速に判断し、積極的に施行しています。糖尿病や高血圧、高コレステロール血症などによる生活習慣病が原因で発症する可能性が高い頚動脈狭窄症に対する頚動脈ステント留置術も、当院で行っている血管内治療の1つです。
泌尿器科(人工透析)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 61 0.41 5.03 6.56 75.36
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 43 1.72 3.07 0.00 69.49
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 23 1.22 4.22 0.00 75.43
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) - - - - -
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) - - - - -
 泌尿器科は尿路結石や膿腎症が多く、経尿道的尿管ステント留置術、経尿道的尿路結石除去術が当科手術の63.41%を占めています。
 膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的膀胱悪性手術(TUR-Bt)は、開腹せずに行うため、身体的負担が少ない手術です。
 また、透析を行う患者様に対しての内シャント設置術等をも行っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

この表に示す4つのDPCコードは、医療の質の改善に役立てるため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとしています。
また、アップコーディングなど不適切なコーディングとみなされる確率が高いものです。
なお、患者数が10未満の数値は、個人情報が特定できないように「-」と表示しています。

【定義】

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 26 0.48
異なる 15 0.27
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 17 0.31
異なる - -
 播種性血管内凝固症候群や敗血症は、重症な症例を治療する急性期医療機関ではごく自然に治療している疾患です。これら4つのDPCコードが全くないとすれば、重要な症例を治療している急性期医療機関としては不自然であり、多すぎることもまた治療過程で問題があると考えられます。
 入院時は別の疾患であったり、患者様の持病が悪化し、播種性血管内凝固症候群や敗血症などを引き起こすこともあります。これにより、元々の病気の治療よりも播種性血管内凝固症候群や敗血症等の治療に時間を要する(医療費が多くかかった病気=医療資源を最も投入した傷病名)こととなり、「入院契機と異なる」現象が起きます。当院においては、肺炎や結腸穿孔(穴があく)、腎不全・腎盂腎炎等によって敗血症を発症する患者様が多くみられます。

 手術・処置等の合併症は、手術・処置・検査等に伴う出血であったり、創部の感染(=術後創部感染症、後出血、術後腹腔内・腹壁膿瘍、穿孔など)、術後に行うリハビリでの転倒による再手術(=人工関節脱臼、鋼線の突出、関節プロステーシスの破損)、骨折手術時に挿入した器具のゆるみなど、さまざまな要因があり発生しています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード

【意義】
周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、発生率を下げることにつながります。
周術期とは、手術が決定してから手術後の社会復帰までの手術前後の一連の期間のことです。

予防法 ・・・ 早期歩行、弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法、ヘパリン投与等があります。

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
716 682 95.25
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード

【意義】
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、望ましい取り組みとなります。
また、血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。

血液培養とは ・・・ 採血した血液中に存在する菌を35℃で数日間培養する検査です。
血液培養を行うのは、発熱時や低体温時、悪寒戦慄等、感染症が疑われるときなどです。

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1216 628 51.64
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード

【意義】
近年、新たな耐性菌が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する 取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。

抗菌薬耐性菌の代表例として、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)があります。

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1029 826 80.27
更新履歴
2024/9/26