脳神経外科
脳卒中を始めとした脳疾患は昼夜問わず突然発症する疾患であり、さらに治療開始までの時間が今後の後遺症や生死を分ける要因となることがあります。そのため当院脳神経外科では患者様の予後改善のため最新のCT,MRI等の検査機器を用いた診断と、開頭手術・脳血管内治療を始めとした治療を24時間365日体制で施行できる体制をとっています。 その中でも特にくも膜下出血に対する脳動脈瘤手術、脳梗塞に対するtPA静注療法や経皮的脳血栓回収術(カテーテル治療)などを積極的に行っております。
詳しくは当院の公式YouTubeチャンネルに動画をUPしておりますので、ぜひチェックしてみて下さい。
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脳動脈瘤治療
検査結果と患者様の希望に応じ、テーラーメイドに治療を検討します。
治療方法
1.コイル塞栓術(カテーテル)
鼠径部(太ももの付け根)や手首・肘などからカテーテルを挿入し、脳動脈瘤内に塞栓用カテーテルを誘導します。これを用いてプラチナ製コイルを充填し血流を遮断することで破裂予防効果が得られます。体に傷が残らず、さらにメスを用いない低侵襲な治療です。
当院では脳動脈瘤の形状などを踏まえ、積極的にコイル塞栓術を検討します。
またFlow diverterを始めとした最新型の治療機材を順次導入しています。
当院では脳動脈瘤の形状などを踏まえ、積極的にコイル塞栓術を検討します。
またFlow diverterを始めとした最新型の治療機材を順次導入しています。
2.脳動脈瘤クリッピング術(開頭手術)
開頭術を行った後、顕微鏡を使用して手術を行います。脳の隙間(シルビウス裂・半球間裂など)に脳動脈瘤が存在しており、これを顕微鏡で確認しながらチタン製のクリップで動脈瘤内の血流を遮断します。
超急性期脳梗塞治療
一刻を争う脳梗塞治療。最短最速を目指します。
脳梗塞は脳の動脈が詰まり、脳の血流が流れなくなることで発症します。発症から治療まで時間がかかればかかるほど脳梗塞は拡大してしまい、重篤な後遺症(片麻痺や失語症など)が残ったり、生死に関わる場合もあります。発症早期に詰まった血管を通す治療(急性期再開通療法)を行った場合、血管の詰まりがとれることで症状が改善し脳梗塞が縮小することがあります。
このような疾病特性のため脳梗塞治療は一刻を争います。当院脳神経外科では下記の治療を迅速に行うため近隣救急隊と連携し、Hotlineを通じ直接情報交換を行うことで病院到着前から検査・治療の準備を整えています。
このような疾病特性のため脳梗塞治療は一刻を争います。当院脳神経外科では下記の治療を迅速に行うため近隣救急隊と連携し、Hotlineを通じ直接情報交換を行うことで病院到着前から検査・治療の準備を整えています。
t-PA静注療法
本邦では2007年から施行可能となった治療です。アルテプラーゼと呼ばれる強い血栓溶解効果を持った薬剤を静脈注射する治療です。小さな血栓の溶解効果が高く、効果が期待されます。一方で大きな血栓の溶解効果は限定的であり、t-PA静注療法後速やかにカテーテル治療を行うべきとされています。
経皮的脳血栓回収術(カテーテル治療)
本邦では2011年ごろから施行可能となった治療です。当時は合併症が少なくなかったため有効性・安全性が十分確認されていませんでしたが、治療技術や治療機器の発展などにより2017年以降は「脳卒中ガイドライン」に治療対象症例には行うべき治療として記載されました。当院では2013年以降50例/年を越える治療を行っており、90%以上で有効再開通率(灌流領域のうち50%以上の再開通)を得ています。
脳血管の詰まりの原因となっている塞栓子(血栓)を吸引機器やステント型機材を用いて体外へ取り除くことで脳の血流を再開させ、症状の改善や脳梗塞の縮小が期待されます。
脳血管の詰まりの原因となっている塞栓子(血栓)を吸引機器やステント型機材を用いて体外へ取り除くことで脳の血流を再開させ、症状の改善や脳梗塞の縮小が期待されます。
一次脳卒中センター(PSC)コア施設
日本脳卒中学会は、脳卒中診療を24時間365日行える施設を「一次脳卒中センター(PSC:Primary Stroke Center)」として認定しています。当院は「一次脳卒中センター」として認定をされていましたが、今までの診療実績や診療体制をもとに「地域においてコアとなるPSC施設(PSCコア施設)」として活動するよう同学会から委嘱されました。
これからも「機械的血栓回収療法」を必要とする患者さまを常時受け入れ、地域医療に貢献できるよう努力いたします。
これからも「機械的血栓回収療法」を必要とする患者さまを常時受け入れ、地域医療に貢献できるよう努力いたします。
医師紹介
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院長
金 茂成
KIN SHIGENARI
出身大学 山口大学 H3年卒 資格 日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経外科学会指導医
病院総合診療特任指導医コメント 最近の脳神経外科は新しい治療法の進歩に伴い、いくつかの専門分野に細分化されています。一人の脳外科医ですべての専門分野に精通することが難しくなっていますが、それぞれの疾患に対して最も適切と思われる治療法を選択出来るようにしています。手術をするしないにかかわらず、分かりやすく納得のいく説明を、また手術については合併症が起きないように丁寧な手術を心がけています。 -
副院長 兼 脳神経外科部長 兼 医局長
角本 孝介
KAKUMOTO KOUSUKE
出身大学 広島大学 H18年卒 資格 日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経外科学会指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本脳神経血管内治療学会指導医
日本脳卒中学会認定専門医
日本脳卒中学会指導医 -
脳神経外科医長
三小田 享弘
SANKODA YUKIHIRO
出身大学 山口大学 H25年卒 資格 日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医 -
脳神経外科医師
田中 恒輝
TANAKA KOKI
出身大学 佐賀大学 R2年卒
診療実績
2023年度治療実績
2023年度 主な手術
- 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術:76例
- 脳動脈瘤クリッピング術:9例
- 水頭症手術(シャント手術):15例
- 頭蓋内血腫除去術(内視鏡下血腫除去含む):24例
- 脳腫瘍摘出術:9例
2023年度 主な脳血管内治療
- 経皮的脳血栓回収術:68例
- 経皮的頚動脈ステント留置術:30例
- 脳動脈瘤コイル塞栓術:33例